時事ワード解説⑤:日本の公務員

今月は多くの自治体で公務員試験が実施された。そこで今回はあらためて、日本における公務員について確認する。

日本における「公務員」とは公務員とは厳密に言えば職業や職種ではなく、公務員とはそれ自体が地位であり、国ないしは地方公共団体の職にある者すべてを言う。その者の職の選任方法の如何を問わず、また職が立法・司法・行政のいずれの部門に属しているかも問わない。

国家公務員法、地方公務員法はともに、一般職の職員の任用は、一般に「公務員試験」と総称されている公開の競争試験に基づいて行うことを原則としている。日本の公務員制度は職が先にあって人がそれに充当されるという考え方を持っているため、公務員の組織は必ず定員が定められている。そして、特定の職に退職等による欠員が生じたときに、同格の職にある職員を転任させたり、下の格の職にある職員を昇任させたりして補充し、人事異動の玉突きの結果、最終的に欠員となった職に補充すべき人材を募集するために採用試験を行っている。そのため、採用試験に合格した者はいったんは「採用者候補名簿」に登載され、その上で国や地方公共団体の定員補充として採用されることになる。このため、「公務員試験に合格=公務員に内定」ではない。

関連ワード①:公務員の地位
日本国憲法第15条には以下のように明記されている。
第1項:公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
第2項:すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
日本国憲法第99条にはこう明記されている。

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

また、公務員は法令を遵守するとともに、上司の職務上の命令には重大かつ明白な瑕疵がある場合を除いて、忠実に従う義務を有する(国家公務員法第98条、地方公務員法第32条)。
関連ワード②:公務員の義務と権利
すべて公務員は、前述の憲法第99条に基づき憲法を尊重し擁護する義務を負う。また、憲法第15条に基づき「全体の奉仕者」として公共の利益のために勤務するという一般的な義務を負う。
その他、公務員の守るべき具体的な義務として次のようなものがある。
・職務遂行上の義務(国家公務員法第101条、地方公務員法第35条)
・法令と上司の命令に従う義務(国家公務員法第98条第1項、地方公務員法第32条)
・秘密を守る義務(国家公務員法第100条第1項、第109条第12号、地方公務員法第34条第1項、第60条第2号)
・品位と信用を保つ義務(国家公務員法第99条、地方公務員法第33条)
※これは業務上横領や接待はもちろん、勤務時間外の傷害事件、飲酒運転も含まれる。
他に、会計に携わる者については、予算執行、物品管理において国に損害を与えた場合には、弁償責任の義務がある(会計法第41条第1項)。
また、公務員は次のような極めて厳しい制限がある。
・ストライキの禁止など、労働基本権に関し制限又は特別な取扱いがある(国家公務員法第102条、地方公務員法第37条)。
・中立的な立場を保つため、所定の政治的行為が禁止されている(国家公務員法第102条、人事院規則14-7、地方公務員法第36条)。
・営利企業及び非営利事業との関係について制限を受ける(国家公務員法第103条、第104条、地方公務員法第38条第1項)
その一方で、法定の事由による場合のほかは、職員の意に反して、降任、休職、免職されないといった身分保障に関する権利や、人事院による給与勧告に基づいた給与の給付や退職金・保険等の給付を受ける財産上の権利を保障されている。


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